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換気と換気システムの種類【健康な暮らし】『24時間換気だけじゃない』

更新 2024-03-12

【健康な暮らし】換気と換気システムの種類

住宅には断熱や気密以外にも注意しないといけないポイントがいくつかあります。 その内の一つが【換気】です。 健康に生活をするためにはきちんと換気をして家の中の空気を外の新鮮な空気と入れ替えなければいけません。 換気ができていないと汚れた空気が溜まっていって健康に悪い住宅になります。 今回はそんな重要な【換気】や【換気システム】についてお話します。 この記事を最後まで読むと換気の事が理解できてどういった換気設備が自分に合うのか分かるようになります。

今回の内容

①換気について

②換気システムの種類とそれぞれのメリットデメリット

③まとめ

①換気について

換気とは家の中の空気を新鮮な外の空気と入れ替えることです。 外の空気を家の中に取り込むことを給気】と言い、家の中の空気を外に出すことを排気】といって給気と排気を合わせて【換気】です。 換気ができていないと呼吸からでる二酸化炭素やハウスダストや外から持ち込まれる花粉やPM2.5等が部屋にどんどんと溜まっていって健康に悪い家になってしまいます。 換気は特に高気密住宅では重要です。 高気密で隙間がほとんどないので窓や玄関ドアを開けない限りは換気設備以外からは空気が入れ替わることがないからです。 換気については建築基準法という法律の中で【24時間運転の換気設備】の設置が義務付けられています。 2時間に1回家全体の空気が入れ替わるように計算して換気設備をつけないといけません。 『24時間換気が義務化されているんだったらそんなに気にしなくてもちゃんとできてるんじゃない?』と思うかもしれませんが、色々な種類の換気設備があってそれぞれメリットデメリットがあるので是非知ったうえで何が自分にあっているか考えてほしいと思います。

②換気システムの種類とそれぞれのメリットデメリット

換気システムの種類について

換気システムは【第一種換気】【第三種換気】にわけられます。 次に【ダクト式】【ダクトレス】かにわけられます。

第一種換気と第三種換気とは

第一種換気

給気も排気も機械で行う方式です。

第三種換気

給気は自然給気で行い排気は機械で行う方式です。 他にも第二種換気と第四種換気もありますが、住宅ではあまり使われないため説明を省きます。

第一種換気と第三種換気のメリットデメリット

第一種換気のメリット

①機械で給気と排気をコントロールしているので外の風などの影響を受けにくく効率よく計画的な換気ができること ②熱交換型】を使うことで快適性があがり省エネになる ②の熱交換型】というのは【熱交換型換気システム】の事です。 外の空気を取り込むときに外の空気の温度を室内の温度に近づけてからとりこむというシステムで第一種換気だけでしか取りつけられません

熱交換型を使う2つのメリット

(1)冬場の給気口からの不快感が防止できる

例えば冬場に外の冷たい空気が給気口から部屋の中にそのまま入ってきて、冷たい空気が体に当たると不快になりますよね。熱交換型にすると外の空気がダイレクトに家の中に入ってこないのでそういった不快感がなくなります。

(2)冷暖房費が削減できる

冬に部屋をエアコンで暖めているときに冷たい外の空気が給気口からどんどん入ってきていたらエアコンの効率が悪くなりますが熱交換型を使うと冷たい空気がそのまま入ってこなくなるので暖房効率が良くなり省エネになります。 夏は逆に外の暑い空気がそのまま中に入ってこないので冷房効率がよくなり冷房費を抑える事ができます。

第一種換気のデメリット

①コストがかかる

本体代のコストと動かすための月々の電気代といったコストがかかります。 導入にかかる本体代などの費用と省エネ効果で削減される冷暖房費と換気設備を動かすための月々の電気代を比較してどれくらいプラスマイナスされるかは設備や使い方やエリアによっても違うので専用ソフトを使って電気代等のシミュレーションをしてみることをお勧めします。 基本的に北海道や東北など冬に寒くなるエリア程、暖房費の削減効果が大きくなります。

②フィルターの点検が手間

第一種でも第三種でもどんな換気システムを使っても言えることなんですが、住み始めてからのフィルターの清掃や交換等の点検をきちんとしないといけません。その中でも特に第一種換気はフィルター清掃を怠った事でフィルターの目詰まり等があると換気能力が大きく落ちます。 設備によって手入れの方法が変わるので、検討の時には手入れのしやすさをよく比較するといいと思います。

第三種換気のメリット

①本体代と月々の電気代などのコストが安い

基本的には第三種換気の方が第一種換気よりもコストが抑えられます。 電気代は基本的には第三種換気の方がコストがかかりません。 しかし、本体代などの導入コストについては第三種換気でも後で解説するダクト式かダクトレスかで大きく変わります。 後で解説しますがダクト式の第三種換気だと第一種換気とコストが変わらない事もあります。 ダクトレスだと第三種換気の方が基本的にはコストが抑えられます。

第三種換気のデメリット

①熱交換器がつけられない

第一種換気のように熱交換器をつけられないので、外気をそのまま家の中にいれる事になります。 冬は寒い空気が家の中に入ってきますし夏は暑い空気が入ってきます。 これが体にあたると不快に感じるかもしれませんし、冷暖房効率も悪くなります。

ダクト式とダクトレスについて

ダクト式

換気設備と各部屋をダクトでつないで換気するシステムです。 ダクトの中を給気や排気の空気が通ります。 住宅では基礎の中や小屋裏等に1つの換気設備を設置してダクトで各部屋と繋げる事が多いです。 ダクトレス式 ダクトを使わない方式です。 部屋についた給気口から直接空気を取り込みます。 換気計画に応じて給気口と換気口が複数設置されます。

ダクト式とダクトレス式のメリットデメリット

ダクト式のメリット

・計画通りの換気がしやすい

狙った場所に給気口と排気口を作れるので換気経路の設計がしやすく、きちんと換気ができているかの確認もしやすいです。

ダクト式のデメリット

・ダクト工事が必要なのでその分のコストがかかる

・ダクト内のメンテナンスが難しい

ダクトの中にほこりが溜まったり汚れた場合に清掃が難しく、プロに依頼しないと中々できません。 特に空気を取り込む給気側のダクトの中が汚れているとその汚れたダクトの中を空気が通って部屋に入ってくるので健康面で気になります。 基本的にはダクトの中にゴミが入らないようにフィルターが取り付けられていますのでこのフィルターを定期的に清掃する事が重要になります。

ダクトレス式のメリット

・ダクトの中を気にしなくていいのでメンテナンスが楽で将来の更新も容易

ダクトレス式のデメリット

・換気がきちんとできているのかわかりにくい

第一種換気と第三種換気、ダクト式とダクトレスについて解説しましたが、さらにそれぞれ詳しく解説していきます。

第一種換気のダクト式

・コストはかかりますがダクトを各部屋につなげて確実に換気ができます

・熱交換型にすることで快適性があがり暖房費の省エネにもなります

・ダクト内のメンテナンスが難しいので日常のフィルターの清掃や交換を特にきちんと行う必要があります

第一種換気のダクトレス

・コストはかかりますが換気性能が高いです。

・コスト面でいうとダクトはありませんが設備の数が複数個いるので金額的にはダクト式第一種換気と大きくは変わらないイメージです

・ダクト式と違って各部屋に給気口や排気口がつくわけではないので換気計画は難しくなります

・熱交換型にすることで快適性があがり暖房費の省エネにもなります

・ダクトのメンテナンスを気にしなくてよく、将来の入れ替え等も行いやすいです

・つける場所によっては可動音が気になるかもしれません

第三種換気のダクト式

・ダクトを各部屋につなげて確実に換気ができます

・ダクト工事が必要なのである程度コストがかかります

・外の熱い空気や寒い空気がそのまま家の中に入ってくるため冷暖房費がかかります

・ダクト内のメンテナンスは難しいですが、ダクトは排気側についているので万が一ダクトの内部が汚れても室内への影響は少ないです

第三種換気のダクトレス

・日本の住宅では一番よく使われている方法です

・コストが低くメンテナンスが簡単で壊れたとしてもすぐに取り換えられます

・基本的にこの方式で使われているプロペラファンは外の風の影響を受けやすく強風時は止まってしまったり逆流してしまう事がありますので計算通りに換気できない事があります

・各部屋に給気口があるため外の暑い空気や寒い空気がそのまま部屋の中に入ってくるため不快感を感じる事があり、冷暖房費もかかります

いかがでしょうか、どれもメリットとデメリットがあります。 ちなみに弊社の新築住宅では基本的には【第一種換気のダクト式】をおすすめしてます。 高断熱高気密住宅を取り扱っているのできちんと換気ができることを最優先に考えている為です。 しかし、リフォームでダクトの設置が難しい場合には、ダクトレスの第一種換気をおすすめする事もありますし、リフォームの予算によってはダクトレスの第三種換気を使用する事もあります。 新築住宅で日常的なフィルター点検が難しいというお客様であればダクト式第三種換気をおすすめする事もあります。 このように人によって合う合わないという事があるのでどれが良い悪いという事ではありません。 あとは共通して大事なのは住み始めた後のフィルター清掃や動作確認です。 どんなにいい換気設備をつかっていても機械がとまっていたりフィルターが目詰まりしてたら意味がありません。 換気設備は住宅会社によって考え方の違いが出る部分でもあるので採用の理由などを聞いてみるのも面白いと思います。 【健康に暮らすためには空気環境が大事で空気環境をよくするためには換気が大事】という事で、家作りの時にはぜひ換気も気にして欲しいと思います。 断熱についての解説⇒https://www.wakitakoumuten.com/blog/id_671/ 気密についての解説⇒https://www.wakitakoumuten.com/blog/id_635/ 防湿についての解説⇒https://www.wakitakoumuten.com/blog/id_712/ 見ていただいてありがとうございました。
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