【なんとなくで付けたら失敗します】ダウンライトをつける時の注意点

ダウンライトはやみくもにつけてはダメ!
ダウンライトはマンションのモデルルーム等で多用されていることからなんとなくおしゃれなイメージをもっている方もいるのではないでしょうか。
そのイメージをもってダウンライトをやたらとつけている「安易に使いすぎて失敗しているケース」を時々みかけます。
ダウンライトをやみくもに配置して星空のような天井になっている家は良い設計とはいえません。
ダメな例の一例としては均等配置があります。
暗い所をなくすために4隅にダウンライトをきっちり取付ている例ですが、本来4隅は照らさなくても不便のない場所です。わざわざ部屋の隅っこで読書や編み物をする人はいません。
それだけでなく4隅を照らすことでエアコンや換気口を照らし本来見えなくても良いものまで照らし出して空間の雰囲気を台無しにしてしまいます。
こうなってしまう原因としては設計するときに平面図の情報にとらわれすぎているからです。
本来照らしたい場所はダイニングテーブルの上やソファの上等の活動を行う場所です。
そこよりも関係のない壁や扉が照らされていては上手な照明配置とはいえません。
本当に明るさが必要な場所はどこなのか整理したうえで照明計画を行う必要があります。
建て主は明るい家を好む傾向にあります。その要望通りに照明を加えていくとどこもかしこも明るいメリハリのない空間になりがちです。
作業をする場所とただの通路では必要な明るさも違いますのでそれをきちんと説明して、理解していただいて照明計画をする事が大切です。
ダウンライトで失敗しない5つのポイント

1.やみくもに沢山配置しない
暗くなりすぎないかと不安からなるべく多くの照明を配置しようとしがちです。
設計者も後から暗すぎるとクレームになるくらいなら内心明るすぎると思っていてもお客様の要望通りに多めに照明を設置しておいた方が後々のトラブルにもなりにくいので言うとおりに加えていくという話も聞きます。しかし本来の形としては隣接した空間のつながりを無視してダウンライトを配置すると綺麗な灯りにならないのできちんと説明して提案した方がいいと思います。
2.四隅への均等配置はさける
4隅に均等にダウンライトを取り付けても本来そこに明かりが必要でないばかりかエアコンや換気口など照らしたくないものまで照らしてしまいます。
バランスよく配置したつもりが実際にはメリハリのない無意味に明るい空間を作ってしまうという事になってしまいます。
3.ダウンライトの種類を使い分ける
ダウンライトにもいくつかの種類とその組み合わせがあります。
作りたい空間や照らしたい場所に応じて使い分ける事が大切です。
実際なにも検討されずにベースタイプで拡散タイプ、固定型のダウンライトが配置されている例をよくみます。
①ユニバーサルタイプとベースタイプ
ユニバーサルタイプ・・光の向きを変えられるダウンライト
ベースタイプ・・角度調整ができないタイプ。一般的なダウンライト
②集光タイプと拡散タイプ
集光タイプ・・・スポットライトのようにピンポイントで集中的に照らすダウンライト
拡散タイプ・・・空間全体に光を広げるダウンライト。
③交換型と固定型
交換型・・・電気が切れてしまった時に交換できるタイプ。数はすくない。
固定型・・・電球が切れてしまった時に交換ができないタイプ。LEDになりこちらの方が主流になっている。
個人的には本来のダウンライトの強みを生かせるのは集光型だと考えています。
場所に応じてユニバーサルタイプを併用する事も良いと思います。
交換型については今はLEDになり固定型が主流ですが、後々のメンテナンスの事を考えるとできればLED電球の交換型のものを使用したいと考えています。
4.平面図の形にとらわれない
平面図ではバランスよくきれいに納まっていても実際に完成したものをみるとバランスが悪く感じる事があります。四隅での均等配置も平面図の形に合わせてしまったのが失敗の原因です。
リビング、ダイニング、キッチンと連続する空間になるとさらに失敗しやすくなります。
例えばリビングの中央と4隅、ダイニングの中央と4隅キッチンの通路の上とシンクの上というようにダウンライトを並べていくと天井にはお星さまのようにダウンライトが並びます。
この場合は食事の場所やだんらんの場所に照明を集中させて通路の上には配置しないようにすれば天井面の照明が整理されます。
5.ダウンライト以外の選択肢も考える

照明にはダウンライト以外にもたくさんの種類があります。
ペンダントライトやスポットライト、シャンデリア、スタンドライト、ダクトレール、ブラケットライト等沢山の種類がある中でダウンライトひとつに固執する必要はありません。
必要なのは【照明器具ではなく灯り】なので欲しい灯りを手に入れるために最も良いものはどれかを考えて選ぶことが大切です。