縦滑り窓の掃除はしやすい?採用して後悔?縦滑り窓の本音レビュー

採用して後悔?縦滑り窓の本音レビュー
見た目はおしゃれ。でも、住んでわかる“リアルな注意点”
こんにちは、一級建築士の脇田です。
設計の現場でよく使われる「たてすべり出し窓」。
細身のフォルムが美しく、風もよく通す優秀な窓ですが、住んでみると意外と後悔の声も多いのが事実です。
今回は、たてすべり出し窓のメリットとデメリットの“両方”を本音でレビューしてみたいと思います。
たてすべり出し窓とは?

たてすべり出し窓は、窓枠の縦軸を中心に外側へ開く仕組みの窓です。
取手やハンドルを回して開けると、窓全体が外へスライドする構造になっています。
狭いスペースにも設置しやすく、外観をスッキリ見せられる点が特徴。
風を受け入れる構造になっており、角度を調整することで通風量を自在にコントロールできるのも魅力です。
さらに、気密・断熱性能に優れたタイプも多く、高性能住宅にも対応可能です。
たてすべり出し窓のメリット

1. 効率的な通風性能
実は、引き違い窓に比べて通風量が10~22倍になるという実験結果もあります。
風をキャッチしやすい構造なので、トイレ・バスルーム・キッチンなど、湿気をためたくない空間に効果的です。
2. 省スペースで使いやすい
窓が外側に開くため、室内にスペースを取らず、家具の近くにも配置しやすいです。
キッチンや階段・廊下など、設置が難しい場所でも活用できる“頼れる存在”。
3. 操作がかんたん
ハンドル式を選ぶことで、軽い力でスムーズに開閉できます。
小さなお子さんや高齢の方でも扱いやすく、生活の中での使いやすさはなかなかのものです。
4. 高い気密性と断熱性
閉じたときにしっかり密閉される構造なので、隙間風や騒音をシャットアウト。
冷暖房の効率が上がり、光熱費の削減にもつながります。
5. メンテナンスがしやすい
窓を全開にすると両側に隙間ができるので、室内から外側のガラス清掃が可能な位置であればメンテナンスも楽です。
部品もシンプルなため、交換や修理がしやすいのも◎。
正直、後悔する人も多い“デメリット”
1. 網戸が内側のため掃除がしにくい
構造上、網戸は内側につける必要があります。
後で説明するカムラッチハンドル式だと、開け閉めのたびに網戸をよける必要があるので手間がかかることも。
2. 外に張り出す分、スペースと安全に配慮が必要
窓が外に開く構造なので、軒・植栽・物干し・通行人などとの干渉に注意が必要です。
とくに狭小地や2階の窓では、開き角度が制限されることも。
3. 強風に弱い
外に張り出す構造は風雨に対して弱く、風でバタンと閉まったり、急に大きく開いてしまったりします。
特に風の強い地域では使い方や設置場所に気をつけないとストレスに。
4. 雨に弱い
たてすべり出し窓は、窓が横に開く構造のため、軒や庇などの雨よけがないと、室内に雨が吹き込みやすくなります。
特に風雨の強い日には、窓を少し開けただけでも室内側のガラスや床が濡れてしまうことがあり、雨の日の換気に制限が生じるケースも。
計画段階で庇の設置や開閉の使い方までしっかり検討することが大切です。
5. 安全性に工夫が必要
窓が大きく開くため、小さなお子さんやペットがいる場合は転落防止対策が必須です。
また、外に格子を設置できないので、防犯面を重視するなら、設置位置や補助ロックで工夫が必要になります。
操作方法で変わる“使いやすさ”

カムラッチハンドル
レバーで開け閉めする一般的なタイプ。操作はシンプルですが、窓前に家具があると開けづらいのが難点。
オペレーターハンドル
ハンドルをくるくる回して開閉するタイプで、網戸と干渉せずに開閉できるのが魅力。
網戸を開けなくて済むので、虫が気になる方にはおすすめです。
ただ構造が複雑な分、築年数が経過してくると故障する事も。
後悔しないための選び方・設置のポイント
・風の抜ける場所・湿気の多い空間に設置する
・隣家や植栽と干渉しないか確認する
・開閉操作のしやすさや掃除のしやすさを想像する
・網戸・カーテン・シェードの取り合いも忘れずに検討
また、脇田工務店では3Dソフトを使って、家具との干渉等をシミュレーションすることができます。
「この場所に本当に合うのか?」「どういった光の入り方をするのか」といった疑問を、建てる前に“見える化”して確認できます。
まとめ:たてすべり出し窓は、使い方と場所しだい
見た目もスタイリッシュで性能も高い。
たてすべり出し窓は、正しく使えばとても頼れる窓です。
ただ、住んでみてから「掃除が大変だった」「開けにくかった」「干渉して開かない」などの後悔が出やすいのも事実。
だからこそ、設置する場所と使い方のイメージをしっかり持つことが何より大切です。
ご相談の際は、私たちも「おしゃれ」と「使いやすさ」がちゃんと両立するよう、具体的にアドバイスいたします。
