雨戸はうるさいしいらない?雨戸って、今の家にも必要ですか?

雨戸って、今の家にも必要ですか?
こんにちは。一級建築士として日々住宅の設計に携わっています。
今回は、お打ち合わせの中でよく聞かれるテーマ、
「雨戸って、今の家にもつけたほうがいいですか?」
という疑問について、現代の住宅性能や暮らし方、そしてデザインの視点も交えてお話ししたいと思います。
■ 昔は“当たり前”だった雨戸。でも今は…

かつての日本の家づくりでは、雨戸は標準のようなものでした。
強風や飛来物からガラスを守り、夜間や留守中の防犯にも役立つもの。
ただ、近年の新築住宅では「雨戸をつけない」選択をされる方も増えています。
理由はさまざまですが、大きくは以下の3つ。
◎ 理由①:ペアガラスなど窓性能の向上
現代の住宅はほとんどが複層ガラス。断熱性・防音性が高く、「雨戸がないと困る」シーンが減ってきました。
◎ 理由②:シャッターや防犯ガラスなどの選択肢が増えた
手動・電動シャッター、防犯合わせガラスなど、用途に応じて別の設備でカバーできる時代になっています。
◎ 理由③:日常的に“使わない人”が増えた
昔のように毎日開け閉めをする習慣が薄れ、あっても使わない=「なくても困らない」人が増えているのが現実です。
■ それでも「雨戸があると安心」な家もある
とはいえ、すべての家にとって雨戸が不要かというと、そうではありません。
◎ 海沿いや風の強い地域
→ 飛来物からガラスを守るため、物理的に覆う手段として有効です。
◎ 通り沿いの1階リビング
→ 夜間の目隠し・防犯に。人通りが多い場所では安心感が増します。
◎ 長期不在の予定がある家庭
→ 雨戸を閉めておくことで“留守感”を減らし、防犯面で有効です。
◎ デザインを引き締めたい外観計画
→ これが、意外と見落とされがちな雨戸の“もうひとつの役割”です。
■ 雨戸は「見た目を整える外構要素」にもなる

雨戸と聞くと、“実用一点張りの装備”という印象があるかもしれません。
でも、設計の中でうまく取り入れると、外観に良い影響を与える「デザインパーツ」にもなるんです。
たとえば、
- 木製や格子調の引き戸雨戸を、外壁材やサッシと一体的にデザインする
- 閉じた状態でも見た目が美しいように設計段階から組み込む
- 建物の正面や目立つ面にアクセントとして配置することで、雨戸そのものが外観デザインのポイントになる
こうした工夫によって、雨戸は“守る”だけでなく“魅せる”パーツへと変わります。
特に和モダンやナチュラル系の住宅では、雨戸があることで立面に奥行きとリズムが生まれ、
夜間や不在時でも「整って見える家」をつくる手助けになります。
■ 雨戸とシャッター、どう選ぶ?

| 項目 | 雨戸(引き戸) | シャッター(手動・電動) |
|---|---|---|
| 操作性 | 手動で開閉(毎日だとやや手間) | 電動ならボタン一つで開閉可能 |
| デザイン性 | 和モダンや木の家と相性◎ | すっきりモダンな外観と相性◎ |
| 防犯性 | ◎(施錠できる) | ◎(ロック機能あり) |
| 費用感 | 比較的安価 | 電動はやや高め |
| メンテナンス | レールの掃除など必要 | モーター部の定期点検が必要 |
それぞれ一長一短なので、「どう暮らしたいか」+「家のデザインに合うか」で選ぶのが正解です。
■ まとめ:「必要かどうか」より「合うかどうか」
雨戸は、性能・防犯・使い勝手、そして見た目の美しさまで含めて、
“住まいとどう調和するか”で決める時代になっています。
「最近の家にはもう必要ない」と思っていた方も、
- 強風・台風が気になるエリア
- 通りに面した1階リビング
- 外観デザインに奥行きを出したい設計
そんな条件が当てはまるなら、一度「雨戸を設計に組み込む」ことも考えてみてはいかがでしょうか。
設備というより、暮らしと外観の“バランスを整える一手”としての雨戸。
使い方次第で、今の家にもフィットする可能性は十分にあります。
