丸テーブルは落ち着かない?それでもダイニングは丸が正解かもしれない理由

ダイニングは“丸テーブル”が正解かもしれない理由
〜空間の形より、人の動きにフィットする選び方〜
今回は、ダイニングテーブルの“形”について、あまり語られることのない視点からお話ししてみたいと思います。
一般的に、ダイニングテーブルといえば四角い長方形のイメージを持っている方が多いと思います。
でも、最近あらためて感じているのが、「実は丸テーブルってすごくいい」ということ。
実際に暮らしてみて「思った以上に使いやすい」「空間が柔らかくなった」という声も多く、
丸テーブルを採用されるご家庭がじわじわと増えてきています。
ではなぜ、今“丸”が見直されているのでしょうか?
今回はその理由を、設計者の視点と暮らしのリアルから考えてみたいと思います。
■ 理由①:人の動線にやさしい

角がない、というのは想像以上にストレスが少ないです。
特にダイニングまわりは、キッチンへの行き来、リビングとのつながり、
小さなお子さんがうろうろする動線など、とにかく「通る」ことが多い場所。
その中で、丸テーブルは自然と人の流れにやさしくフィットしてくれます。
角がないからぶつかっても痛くない、動線がスムーズ、視線もやわらかい。
これは、暮らし始めてからじわじわと効いてくるメリットです。
■ 理由②:会話の距離が近い

丸テーブルの魅力は、みんなの顔が見えること。
四角いテーブルだと、向かい合う2人は近くても、斜めや端の人とは距離が遠くなりがちですが、
丸は誰とでも距離感が均等で、自然と会話が生まれやすくなります。
食卓って、ただ食べるだけの場所じゃないですよね。
ちょっとした会話、今日の出来事を話す場所、子どもが絵を描いたり、親が書類を広げたり。
そういった“集まる場所”として考えると、丸テーブルはかなり理にかなっていると思います。
■ 理由③:空間の“抜け感”が生まれる

丸い形は、空間をやさしく見せてくれます。
特にコンパクトなLDKや、縦長・横長の間取りでは、
長方形のテーブルが“空間を区切ってしまう印象になりがちなんですが、
丸テーブルなら視線の通りが柔らかく、窮屈に見えにくいという利点があります。
意外に感じるかもしれませんが、「狭い家こそ丸テーブルが合う」というケースも少なくありません。
■ 丸テーブルの注意点も正直に
もちろん、いいことばかりではありません。
丸テーブルを採用するにあたっては、いくつか注意点もあります。
- 壁付けができないので、レイアウトに自由度が少し下がる
- 天板サイズの割に座れる人数が少ない(直径100cmなら3〜4人が限度)
- 奥行きのある作業には不向き(大きな書類やパソコン作業はやや使いにくい)
なので、「毎日ここでがっつり仕事をしたい」「子どもに横並びで勉強させたい」といったご家庭には向かないかもしれません。
でも、“食事や雑談がメインで、生活の中心にしたい”という方には、
丸テーブルは暮らしを柔らかくする選択肢として、一度検討する価値があると思います。
■ まとめ:「家具は、空間より人に合わせる」
家づくりをしていると、つい空間の“枠”に家具を合わせようとしてしまいます。
「この幅なら四角いテーブルのほうが効率がいい」とか、「壁にくっつけて動線を確保しよう」とか。
でも本当は、家具は“人の動きや距離感”に合わせて選ぶものだと、私は思っています。
丸テーブルは、無理なく家族が集まれて、会話が自然に生まれて、
空間もやさしくつながる。そんな目に見えない良さを、たしかに持っています。
これから家づくりをする方、ダイニングテーブルを選ぶタイミングの方は、
一度「丸テーブルってどうだろう?」と、視野に入れてみてはいかがでしょうか。
正解は四角じゃないかもしれません。
