庇をつけるとどれくらい夏に涼しくなるのかシミュレーションしてみた
更新 2025-03-21
窓の上に庇をつける事で夏の日射を防ぐことができます

日本の伝統的な家では軒や庇が深く設計されています。
夏の強い日差しを遮り、室内の温度上昇を防ぐとともに、冬の太陽の光を室内の奥まで取り込むことができるからです。
実際の所窓の上に庇を取り付ける事でどれくらい夏の温度上昇を抑える事ができるのでしょうか。
シミュレーションソフトQPEXを使って検証してみました。
こんな条件でシミュレーションしてみます
地域は大阪市です。
建物の形は7280×7280の4間角の総二階の家です。
リビングと玄関が南側にありリビングには掃きだし窓が一つついています。
リビングは吹き抜けになっていて上の方に小さめのFIX窓がついています。
性能は断熱等級6でC値1.0です。
この家のリビングの掃きだし窓に400mmの庇をつけた場合とつけない場合の夏の温度を比較します。
庇がない場合
庇をつけない場合は冷房が必要になる5月~10月の各月の自然室温は下記の様になります。
5月 27.4℃
6月 31.2℃
7月 35.1℃
8月 35.8℃
9月 32.6℃
10月 27.0℃
庇をつけた場合
南側の掃きだし窓の上に400mmの庇をつけた場合各月の自然室温は下記の様になりました。
5月 27.2℃
6月 31.1℃
7月 35.0℃
8月 35.7℃
9月 32.4℃
10月 26.8℃
結果:庇をつけると0.2℃夏の気温が下がる
400mmの庇をリビングの掃きだし窓につける事で0.2℃夏の室内の気温を下げる事ができました。
夏の冷房費が約300円下がります。
小さな変化かもしれませんがエネルギーを使わず温度を下げる事ができます。
こういったことの積み重ねでエアコンに頼りすぎない暮らしをする事ができます。
今回の計算結果は地域や間取りや方位によって建物ごとに変わるので、こういったシミュレーションを脇田工務店の注文住宅では毎回行って設計をしています。